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2016年2月14日日曜日

人工知能の作る音楽、1981年と2014年比べてみよう!

コンピューターは音楽作品を生み出すことができるのか?

というのはずっと技術者の夢であり、音楽家の葛藤であったわけです。

というわけで、ここで二つの1981年と2014年の研究成果を例に出して聞き比べてみましょう。


1981年 David Cope


まずは1981年のカリフォルニア大学の教授で作曲家・科学者のDavid Copeの作成したアルゴリズム。

彼のアルゴリズムは、「バッハ」や「モーツァルト」といった古典的な作曲家の作品を学ばせることで、’それっぽい”音楽を作らせています。

AIの中でもエキスパートシステムもしくはルールベースと呼ばれるアプローチになります。

「この音の後にはこの音が来る」「この和音の後にはこの和音が合う」といった法則を大量に積み重ねていくことで、新しい音楽を生み出すという手法です。


いかがでしょう。

当時はシンセサイザーの音色が貧弱だったこともあり、いかにもコンピューターという感じはしますが、作曲作品自体は、人間の作ったものと区別できないと思います。

バッハの未発表曲、と言われて聞かされたら。。。。。信じてしまうのではないでしょうか。

古典的音楽の制約にのっとった単純なものであれば、1981年の時点でここまで作れたわけです。

2014年 Melomics109


そしてこちらが、2014年のスペイン・マラガ大学にてMelomics109というコンピューターが作り出した音楽です。



いかがでしょうか。。。。。

音色はもちろん、音に強弱があり、場面の構成があり、複雑なリズムがあります。

1981年のものと比べると随分と進化した印象を受けるんじゃないでしょうか。

こちらは遺伝的アルゴリズム(genetic Algorithm)と呼ばれるアプローチで、データの個体ををいくつも用意し、環境に合わせて取捨選択していくというアプローチです。

このMelomics 109は2014年に0Musicというアルバムを発売しています。

ここで全楽曲がMidi,audioの形態でダウンロードでき、Creative Commonsで発表されています。

というわけで、1981年と2014年のアプローチを見てみました。

コンピューターで人間の創造プロセスをモデル化したい、という野望への挑戦は技術者からも音楽家からも、止むことなく続けられるでしょう。

仕事がなくなってしまうことが心配、どんなあたらしい音楽に出会えるか楽しみです。





2016年2月12日金曜日

まだまだ未解明なフロンティア!「音楽」の謎。



今まで未解明だった「音楽」が脳で処理されるメカニズムが明らかに

というマサチューセッツ工科大学の研究発表の記事が出ていました。

記事自体は

「音楽と話し声とは処理する脳の場所が違う」

「会話以前に音楽があった」

まあそうでしょう、と思える内容です。

それ以外にも実は音楽は謎の宝庫なのです。

心理学・認知科学的な見地からも、人類学的な見地からもまだまだわからないことだらけです。

[音楽は謎の宝庫]


例をあげれば、こんな未知の議題が沢山あります。

  • 音楽の認知は先天的なものか後天的なものか

音楽を楽しい、と思うのは人間本来の性質のものなのか、それとも教育や文化的生活の中で身につくものなのか。。
それは母国語のように、小さい頃に身につけて、もう一生変わらないものなのか。
(大人になってから言語を勉強しても、母国語のように流暢にはならないと同じように。)

  • 何を持って、楽しいメロディ、と悲しいメロディを判断しているか。

もし、これも人々の好みではなく、人間の普遍的なもの、だとするならば文化によって、音楽の好みが違うのはなぜでしょうか。

  • 現在発見されている音階が最も最適な回答なのか。

西洋音楽の12音階というのは、一番、「取り回しが」(合奏や、転調に向いている)
良いだけで、実は周波数的に言うと、若干「濁った」音です。その濁りをなくした、純正律という音階が別にありますし、それ以外にも、アラビアや東洋など文化によって12音階じゃないところはいくらでもあります。
どうも、われわれは、歴史の中でできた一つの形式だけを「音楽の基本」だと思いすぎているんじゃないか?

それ以外にも、

  • 言語と音楽どちらが、先に出てきたものか?
  • 音楽に言葉を乗せた時に説得力が増すメカニズムは脳のどのような働きによるものか?(宗教とかは明らかにそれを利用してますね)
  • 人間が音楽を創造する仕組みはどういったものか?それをモデル化できるのか??

などなど、わからないことだらけです。


[音楽+何か、がキーワード]


音楽と脳、音楽と歴史、音楽とコンピューターなど様々な分野で音楽の謎を解く研究が今日も行われています。

興味があれば、音楽心理学、感性情報処理、といった分野是非覗いてみてください。



2013年3月2日土曜日

音楽情報処理って聞いたこと有りますか?


僕は以前音楽情報処理をやっていた。

そんな学問分野ホントにあるの?と思う人が多いと思うけれど、
音楽情報処理は意外と幅が広く、感性の情報処理や、人間のクリエイティブのモデル化、ある種の人工知能、までターゲットになってくる。

要するにコンピューターで音楽を扱ってみたら、
意外といろんなことの研究が必要になっちゃったということなのである。

音楽情報処理はひとつの例としたけど、こんな風に音楽が絡む分野ってたくさん有るわけで、
音大の授業ではおなじみの、美学や、音楽史、民族音楽学なんかはもちろん、
音楽教育、音響、音楽心理学、音楽療法なんて分野もある。

それに(ロック史とか)音楽社会学、音楽産業論とかもそんなふうにいえるかな。

もっといえば、BGMが人々の行動に与える影響を計るBGM心理学、
音楽が記憶力や精神状態に与える影響を計る音楽脳科学、
スポーツ選手のメンタルトレーニング用の音楽スポーツ科学、
だの、あってもいいかもしれない(笑

まあ、それくらい音楽は実は不思議で多岐にわたる分野なのです。

どれがいい音楽か、ふさわしい音楽かなんて、誰も答えを持ってない、
正解はどこにも無くって、なんとなくつかみ所の無いふわふわした物、でありながら、ゲームも映画も日常生活も、音楽が無くちゃ実はほとんどなりたたない。

摩訶不思議な物なのです。

そんな中でも、「ミュージック・エデュテインメント」とは、音楽教育をベースとしながらも、
どれだけ、エンターテインメントやゲーミフィケーションを

取り込んで、どれだけ音楽を身近な知育道具、学びへのはしわたしとできるか、というのをテーマとしているわけなのです。

音楽は単なる空気の波形でもって、人の心理や
体をコントロールすることすらできる。
僕は現代の魔法だと思うのです。