2014年3月30日日曜日

ボカロを音楽教育に取り入れるとどうなるかという話

「ボカロ」を音楽教育に=大学や高校で導入の動き-「芸術性高い」と評価

音楽や創作への興味の一旦として、身近なツールを取り入れるのは、すごく良いきっかけになるでしょうね。

今の子供達にとって、ボカロの音楽はとても身近なものになってますし、我々の世代でいえば、音楽の授業よりも、テレビのポップミュージックの方が、音楽への入り口になっているわけなので、それの代替的なものでもあるかなあと。

そもそも美術なら小学校の授業ですら、創作をやる訳で、音楽の授業で創作の時間がなかったのは不思議です。

(別に難しく考えずに、先生のピアノの伴奏に鼻歌をつける、でたらめにでも歌ってみるとかでいいわけです。)

そういえば、「音楽の授業はクラシックを学ぶもの」という不思議な概念がありますが、300年前の音楽を正座して聞いてる時間って、よく考えたら結構シュールですね。

一昔前は、「特殊技能だし、私には関係ない」というイメージの強かった作曲ですが、ボカロDTMによっていまはものすごく裾野が広がってます。

これが、さらなる音楽への興味の一端と、「作曲の過程」を知ることで、さらなる「名曲へのリスペクト」に繋がるといいなあと思うのです。







2014年3月25日火曜日

ビッグデータ解析から本当にヒット曲が作れるのか?


ワーナーミュージックが音楽認識アプリShazamと戦略的提携、ビッグデータとA&Rが連携した新人発掘を目的とするShazamブランドのレーベルを立ち上げへ 

なんて記事が以前でました。

レコード会社にはA&R(Artist and Repertoire)という役職が有ります。

彼らは、新人を発掘したり、育成したり、また、それにあった楽曲を作らせたり、用意したりを行い、要するに、プロダクトの「プラニング・開発」にあたる部分を担う人たちです。

本来プランニングであれば、過去のデータやマーケットリサーチをどうやって注意深く行い、いま市場の求めているものや時代に会った方向を導いていくものなのだけど、音楽というのはなかなかそれがむずかしく、どうしても主観になりがちなのです。
(それが悪いというのではなくだからこそ格好いいものがうまれるというところですが。そして他のコンテンツと音楽との違いは、音楽がアーティストという人を軸にしているということかなあ、と筆者思っています。)

そんな状況でクローズアップされたのが「ビッグデータ」
まあ、「ビッグデータ」といっても、大量のデータを解析するという文字通りそのまんまの技術なんですが、

Shazaの持っている再生回数や、検索回数、ボーカルの性別、音域、楽器の構成などを利用し、たとえば、「どこそこの地域」で、「こんな感じの編成」がはやっているから新人育成はそんな方向にしようか、みたいな利用方法が考えられます。

さて、こう聞くと、こんなことでヒット曲になるのかしら、とみなさん、すこし疑問符が付くところでは有りますが、これもヒットへの一つの切り口ではあるはずです。
(すべてではないですが)

また、オンラインゲームやラノベなどの世界では、リリースして反応を見て、ブラッシュアップして、の繰り返しがもう常識ですし、そのサイクルはどんどん早くなる一方です。

音楽もどんどんタイトルがながくなり、バージョンアップが次か次へ行われるような時代がくるのでしょうか。

「次回バージョンはギターのバランスを下げたバージョンのリリースです」

みたいな。








2014年3月20日木曜日

映画視聴サービス「Popcorn Time」、数日で終了


うーん。なかなか豪快なサービスだ。

torrentでダウンロードした映画を視聴させるという発想。

torrentとはいわゆるp2pのファイル共有ソフトで、技術自体になんら違法性は無いが、違法ファイルがかなり出回っている仕組みだ。

そして、それをこのサービスでラッパーしてやることユーザーに違法性を意識させずに何でも出来てしまう。

しかし、今回サービス中止になったとはいえ、ソースコード自体公開されてるし、いくらでも、模倣が出来ると思っていい。

これの、音楽版でもすぐできるはずだ。

ソース自体はnode.jsとexpressフレームワーク、というjavascriptでリアルタイムアクセスをしやすくする場合の標準的な物で作られていて、ソースコードもtorrentを扱う部分以外は、結構シンプル。

まあやっぱり、結局すべてのメディアはhuluしかりspotifyしかり、サブスクリプションに向かわざるをえないのかしらとおもうところ。

日本が世界音楽産業を引き下げている

「日本が世界音楽産業を引き下げている」
Japan drags down global music market

こんな記事が出てました。


要約すると

あら、大変!音楽の日本の売り上げが16.7%さがったら、世界的に3.9%の売り上げダウンになっちゃったわよ!っていう話なのです。

反面、日本を除けば世界の音楽産業自体は0.1%の成長なのだそうで。

うーん。

日本の音楽産業はすでに世界の中枢を占め、ロンドン銀行のようになってきましたね。。。


2014年3月7日金曜日

ストリーミングサービスSpotifyが音楽解析のEcho Nestを買収



ストリーミングサービスSpotifyが音楽解析のEcho Nestを買収

さて、この二つの社名、両方ともわかるという方はどれだけいるでしょうか?

spotifyというのは、音楽サブスクリプション制の現在最大手、いわゆる月額聞き放題サービスです。

日本ではまだローンチしてないですが、欧州や米国だとかなり知名度の高いサービスです。

で、たぶんもっと耳慣れないのが、Echo Nestでしょう。

この会社の事業の要は「音楽解析のビックデータを持っている」ということです。

音楽解析といっても、単なるメタデータ(ジャンルや、歌詞や、楽曲名、それぞれの関係性)などだけでなく、ビート単位での解析データにまで手を伸ばしているのが、おもしろいところ。

たとえば、どんな声の人が歌っているのか、サビは何回繰り返すのか、テンポはずっと曲の中で一定か、などなど、音楽は情報の固まりですもんね。

先日EchoNestのメンバーに話を聞く機会があったのですが、実際には公開していないところも「いろいろと持っている」んだそうです。

近いサービスだと、pandraというのがあって、彼らは「400人体制で手動で分析してるよ」なんていってて、ほんとかなあ?
なんて思ってたのだけど。

echo nestは音楽情報分析の博士二人がスタートしているというバックグラウンドからも
おそらく手法に関してはもっと掘り下げが有るのでは無いでしょうか。

この分野、

「音楽の情報分析=ビッグデータ解析」

がビジネスになるかもしれないという話は、10年以上前からあったのだけど、それが近年一気に現実化してきたなあという感じですね。

ちなみに筆者自身以前に、大学院で音楽情報研究をしていて、
比較的近いことをやっていたのですが、

正直、これがなんになるんだろう?

と思って、中途半端になってしまったということがあります。

たぶん、そのときの自分には想像力が無く、
10年後を見る力が無かったのです。

そう思うから、この分野の発展には期待したい所なのです。

さて、これらのデータの実用の分野としては、レコメンデーション、レコード会社的A&R、音楽ゲームといったところになると思いますが、

spotifyのようなユーザーの多いところ結びついたところで、
もっと思いもよらない新しい使い方を生み出すことに期待したいところです。


2014年3月6日木曜日

プロツールスのAvidが上場廃止に

プロ用音楽スタジオをほぼ独占しているプロツールスというソフトの会社が、
会社のに失敗し、NASDAQ上場廃止になったよという話

Avid, Maker of Pro Tools, Now Delisted from NASDAQ

このプロツールスというソフト、ここ数年、利便性、開発力でSteinbergやAppleに遅れを取り出しているのは確かですが、
デファクトスタンダードになってしまったから、という理由で、いまだにほぼすべてのスタジオには入ってます。

そのため、たいていのクリエイターが
自宅で違うソフトで作った音源を一生懸命、書き出しという煩わしい作業をして、スタジオ用に整えているのです。

とはいえ、もうプロツールスで、スタジオやエンジニアのエコシステムが出来上がってしまっているだけに、そう簡単にはかえられない。

こういった「20年前の最先端」から脱出できないことも、ある意味音楽界の保守性の象徴かなあと思ったり。勝手なこと言ってますが。

ちなみにインドネシアや、モンゴルなど、先進国以外のスタジオに行ったときはどちらも、ProtoolsじゃなくてCubaseやNuendoだった(笑

そもそも高くてかえないのだとか。

この辺、アジア各国が携帯電話やサブスクリプション音楽サービスの普及が早いこととも似てますね。

2014年3月5日水曜日

「三種類のコンテンツ」の話



iPhone/Androidアプリ「かんたん絶対音感トレーニング」のべユーザー40万を超え、小さな規模ながら本気でヒットコンテンツになってきました。

もともと、ちょっと趣味の延長として興味本位で作ったものだけど、
毎日着実に100件以上のDLがあり、プレイデータを取得してる
サーバのデータベースのレコードも100万超え。

めざせパズドラ?

「絶対音感」という誰もがちょっとは興味が有る分野と
それが、自分の得意分野だったのがよかったのでしょうねえ。
ランディングページとか一応通り一遍のSEOはやったので、検索エンジンからの流入も多い。

分析すると、


  • 自分の得意分野なこと(音楽)
  • ニッチ分野(絶対音感)でトップをとったこと
  • 基本のSEOやSEMの積み上げ


っていったところでしょうか。
どんな大きなヒットもこれの組み合わせなのでしょうね。

だから目指せパズドラ。基本は一緒だから。

いままで、楽曲やプログラムはたくさん作ってきたけれど、
コンテンツには三種類ある気がしていて。

  • 市場があるもの
    • 有名なアーティストに向けて曲を書いたり有名企業のアプリを作ったりするのは、もう最初っから出口、市場が用意されている。
  • 作家性の有る物
    • 楽曲やバンドの場合は一から組み立てる物だけど、「作家性が有る」ため、その作家性でもって、市場の提案をする必要が有り、その市場がなにより重要になる。逆に言えばその範囲を超えないのだなと。(アイドル+会えるだったり、民族音楽+ポップスみたいなね)
  • 作家性が無くて、市場を作る(正確に言えば市場を選ぶ
    • 今回のこのアプリみたいなもの

最後の作家性がなくて、市場を作るというのが、一番、コンセプトを問われるところだと思うのです。そういうコンテンツでヒットを出せる「センス」それを身につけてみたい物です。