あらゆるものがデータ化されているこのご時世なわけですから、もちろん音楽のデータベースも存在します。
Million Song Dataset
このサーバには1955年からのポップミュージックのデータベースが置かれています。
Echo NestやmusiXmatchといった音楽データサービスからのメタデータも収録されています。
その結論とは。
- 音楽はどんどん音が大きくなっている
- コードとメロディの組み合わせは単純化している
の2つです。
(音楽のメタデータ、曲調や、テンポ、メロディといった要素をデータ化したもの)
[音圧戦争]
前者については知ってるの方も多いんじゃないでしょうか。
いわゆる、「音圧戦争」と呼ばれるものです。
近年の音楽はラジオや、youtube、プレイヤーなどのいろんな場面で流されます。
ゆっくりステレオに向き合って聞くなんてことはめったに無いでしょう。
そのため、街の雑音や、テレビの中でも少しでも人々の耳をひこうと、ボリュームを徹底的に上げていき、そのために、音源の様々な表情が潰されてしまう。
結果として、単純化していく。これは、いわゆる「マスタリング」と呼ばれるものの手法の変化です。
[コードやメロディの組み合わせが単純化している]
このことについては、筆者も気づいていなかったのですが、コードとメロディに関しては実際バラエティが少なくなっているというデータなのだそうです。
これについては、アーティストと作家、プロデューサーの分業制が少なくなり、比較的単調なものが増えているというのが一つあると思いますし、またそれ以外にも、カラオケの需要で、難しいメロディは避ける傾向や、オーソドックスなもの懐かしいものに対するリスナーの要求もあると思います。
[「単純化」とも言い切れないかも。。。]
さて、という風に、データ上は音楽は単純化しているという意見だったのですが。
実際、音楽の要素は、この論文の根拠となったデータのように、コードや、メロディに判別できるものじゃなくて、音色や、もっと抽象的なものだったりすると思っています。
また、コードと言っても、同じコードでも近年の打ち込みですと、様々な音を入れコードをぼかす、のが一般的で、必ずしもコードという考え方によってはいません。
僕自身も、コードなんて考え方は時代遅れだと思ってますし、現代のプロデューサーはコードがはっきり聞こえちゃうと、ダサい、くらいの意識でいると思います。
より好意的に見ると、過去の形式をいかに破壊するかということに取り組んでいる段階じゃないのかという気がしています。
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